線条製造部 鋼材加工室
中川 幸樹
2019年入社
環境創生工学系専攻出身
学生時代は貴金属系合金を用いた無機触媒関係の研究を専攻していました。触媒についての研究は金属と他の元素を組み合わせて合金触媒を作成し、その際の活性(触媒の性能)の変化を調査していくというものでした。その中で金属と添加元素の組み合わせ・組み合わせる比率によって性能が大きく変化することを経験したこともあり、化学専攻であったものの金属系の分野にも興味を持っていました。メーカーを志望して就職活動を行っていた中で、鉄と様々な元素を組み合わせて作られる特殊鋼と出会い入社することを決めました。
現在は、鋼材加工室にて酸洗設備、SV(線材の皮剥き設備)といった特殊合金関連の加工設備の担当をしております。業務内容としては担当設備において発生した品質不良の原因調査・対策の検討・実施、製造方法の改善等を中心に行っています。
品質不良の調査については、特殊合金を扱っている設備である都合上、多品種の鋼材を取扱っており、不良の発生原因もそれぞれ異なっています。その対応には日々、苦戦していますが、品質不良のあった材料の外観や発生状況について現物や設備を確認し、現場作業者へのヒアリングを通じて、不良要因を推定し対策を実施していくことで不良低減に繋がった時は非常に嬉しいです。
製造方法の改善については、設備の抱えるコスト面、品質面の課題改善を行うため、実際の材料を用いてテストを実施し製造方法等の見直しを行っています。テストは常に上手くいくわけではありませんが、課題改善の達成に向けて一歩ずつ前進していくことに対し大きなやりがいを感じています。
鋼材加工室は、特殊鋼線材の製造過程の中で最も下工程(仕上げ)を担う部署であるため、担当する設備においても、製造後の外観(見た目)確認や検査工程を通過し出荷される材料も多く扱っています。業務の中で、お客様と顔を合わせることは基本的にはありませんが、お客様の手に渡る最終製品と直接向き合う職場であるため、高品質な素材を製造する責任とやりがいを感じます。
素材メーカーであるため出荷した材料を街中で見かけることがなく、どのように使われているのかは正直見えづらいです。ただ、工場内の厚生棟(ロッカールームがある建屋)や総合事務所の会議室内のいたるところに、営業部と技術部が共同作成した出荷後の製品がどういった場面で使用されているのかを分かりやすくまとめた資料が掲示されています。自社の製品がどのように社会の役に立てているのか知ることができ、業務へのモチベーションに繋がっています。
今後の目標としては、製造難度の高い材料の製造方法を見直して、担当設備における安定生産とそれに伴う、コストの低減を目指した活動を進めて行くことです。そういった活動が結果的にお客様へ良い製品を納期通りにお届けできること、会社の利益に繋がっていくと考えています。
休日の趣味としてはブラジリアン柔術にハマっています。格闘技に分類されますが、打撃が無く、締め技・関節技を主体とした競技のため怪我の心配が少ないので、楽しく運動不足を解消できます。また、柔術は「道着を着たチェス」と言われることもあるほど考えながら動く必要がある格闘技なので、柔術に集中している間は他のことを考えることなく、結果的にいい気分転換となっています。
私自身は化学系出身でしたが、入社後の研修期間に鋼材の基礎的な内容について講義形式で学ぶことができました。また、現代社会で重要視されているコンプライアンスや情報セキュリティといった日常では学ぶ機会があまり無いことについても、e-ラーニング形式で定期的に学習することができ、業務を通じての成長だけではなく、研修制度的にも人の成長を促す仕組みがある環境だと思います。